Quiero volver a BARCELONA

秋の気配が密かに忍び寄る季節は・・・時々今ここに居ることに疑問を感じる。テレビを見ているとき。本を読んでいるとき。ただ単に歩いているとき。様々・・・。なんともいえない孤独感。大勢に囲まれて楽しいのに心にふと空虚な風が吹く瞬間。もしかして私は間違ってここに居るのかな?生きる時代が違う?場所が違う?何かが違う。でも答えは未だ見付からない。毎日一所懸命脇目も振らず生きている人はこんなこと思わないのかもしれないな。幸せだから?暇だから?このまま普通に歳を重ねることへの恐怖感がつきまとう。何かをしないといけないという焦燥感。でも何かは分からないけれど…。
スペインに居た頃公園で一日ボーっと本を読んだり散歩するのが好きだった。喉が渇くとバルにモストを飲みに行く。一人の世界の楽しみを見つけてしまった私は言葉という不自由以外は何も困ることはなかった。充実した毎日。一人なのに楽しい。一人なのに何故?
バルセロナが大好き。大好きという一言で片付けられないくらいに愛している。それは街の匂いであったり、雰囲気であったりするけれど、そこに行くと幾度とないデジャヴに遭遇するから。「あれ?これ以前見たことがある。」という情景が頻繁に去来する。そんな時は以前私はここにいたんだやっぱり!という感慨に耽る。帰りたいバルセロナに。今私に羽があったらすぐに飛んで帰りたい…。今あるもの全てを捨てて…。秋の足音が近づくとまたザワザワと心が騒ぎ出す・・・。