13回忌…

12年前の今日、阪神地区に未曾有の災害が牙を剥いて襲い掛かった。阪神大震災…決して忘れる事の出来ない、忘れてはいけないあの日。恐怖と空虚と疲労が何ヶ月も続いた毎日、周りで無くなられた方や大変な怪我を負ってしまった人達の報を受けるたび暗澹たる思いが胸に突き刺さった。住居を無くし、家族を亡くし、怪我を負い、これから何を望みに生きていけばよいのか途方に暮れる人を沢山見てきた。怪我はしたけれど生きているだけで有難いと思えたあの時。実家のある三宮までの道程、疲れた体に暖かさが染み渡った御影公会堂の炊き出し。蛇口を捻って1ヶ月ぶりに水が出て拍手したこと。大阪からわざわざ両手一杯の食料を運んでくれたこと。他人の優しさをあんなに感じたことはなかった。12年経った今神戸は本当に復興し、成熟したといえるのだろうか?多額の借金をし空港を造ったものの利用者数も埋立地の誘致も全く絵に描いたモチで行政の思惑とはかけ離れているという現実。その反面老齢の被災者の孤独死は何の解決も見られない。6434名の声亡き人達の為にも残された我々は丁寧に生きていかないといけないと被災13年目を迎えて気持ちを新たにするとともに今日は心から黙祷を捧げたいと思う…。